金融新入社員の為の経済知識集

銀行、証券、保険などの金融業界に就職したはいいけど経済用語がわからない(日経平均株価、CPI、バルチック指数なにそれ?)な人向けのブログです。

日本の経済用語~上海総合~

こんにちはもちです。

 

最近あまりできていませんでしたが日経新聞の市場体温計の解説シリーズを久しぶりにやっていきたいと思います。

 

前回に引き続き左下にありますアジア株関連です。

2番目にご紹介するのは上海総合です。 

 

 

上海総合指数って?

中国を代表する株価指数です。

中国の上海市場に上場する全ての株式を対象とした指数となっています。

主に元建てで取引されるA株と米ドル建てで取引されるB株に区別されます。

時価総額加重平均で指数は算出されます

基準は1990年12月19日を基準日に、その時の時価総額を100として算出される。

中国の株式市場の歴史とA株・B株

 米ソの冷戦が終結しつつある1990年、中国では上海証券取引所が出来ます。

その翌年には深圳証券取引所が作られることとなります。

 

計画経済から市場経済へと移り変わる途中であった中国において、当初の上場の銘柄は国有企業が多数を占めました。

また急激な民営化による混乱を恐れ「国家株」や「法人株(国有企業などの持ち合い)」など「非流通株」が多かったです。このことは2000年代前半の非流通株の放出により中国株全体を押し下げることとなります。

 

またこの時に上海・深圳ともにA株とB株が導入されます。特に米ドル建てで取引のB株は中国の通貨人民元の自由化を避けながら外資の導入を進めたい中国政府の意向が働いてこのような形となったようです。

2001年からは中国国内の投資家にもB株への投資が開放されています。逆に2014年からは一定の要件を満たす海外の機関投資家によるA株への投資も認められています。

A株の時価総額B株の50倍を超えるなど現在では差が大きく開いています。

 

その後深圳市場で「中小企業板」や「創業板(ChiNext)」上海市場では「科創板」などが新たに創設されています。

企業やセクターの特徴

現在(2月3日)の時価総額は上海のメインボードのみでも約30兆人民元、日本円に換算すると470兆円を超えています。

その他の市場も含めた中国株全体を合わせると日本を超え世界2位です。

個別銘柄で見ると

1位中国工商銀行

2位中国平安保険

3位中国建設銀行

4位貴州芽台酒

5位中国農業銀行

となっております。

上位企業は銀行など金融を中心とした国有企業が占めています。

 

セクター別でみると

1位金融

2生活必需品

3位エネルギー

 となっています。

どちらかといえばオールドエコノミー企業が多いと考えられます。

 

逆に深圳証券所は情報通信が多い状態となっております。

これはPERで見ても、上海A株はPERが11倍に対しいて深圳A株は24倍と2倍以上の差がついており成長性の違いが評価として表れていると考えられます。 

 

その他上海総合や中国株に関係する指数に

上海総合関連の指数としては「上海50指数」、「上海180指数」「CSI300」などがあります。

上海50指数は上海証券取引所のA株のうち流動性が高く、時価総額が大きい企業50社で構成されている指数です。組み入れのうち半分近くが金融業です

 

上海180指数は基本的な考えとしては上海50指数と同じで、銘柄数が180銘柄に増えたものです。上海180指数の時価総額は上海総合の約50%、売買代金も約50%を超えており上海総合を見るうえで大事な会社の集まりといえます。

 

CSI300は上海証券取引所と深圳証券取引所のA株のうち時価総額流動性の高い上位300銘柄で構成されています。

3分の2程度が上海証券取引所、残り3分の1程度が深圳取引所の銘柄で構成されています。中国全体のA株の状況が把握しやすい指数となっています。

ちなみにCSIはこの指標を算出しているChina Securities Index社のことを指します。

 

何を読み取ることが出来るか・どういったことに使えそうか

 上海総合はリーマンショック前の2007年につけた6092ポイントを高値に現在では半分程度の水準となっています(終値ベース)

 

深圳証券取引所のA株はチャイナショックの前の水準は回復できていないものの、リーマンショック前の水準を超えています(2007年時の最高は1629ポイント、チャイナショック前3287ポイント、現在2000ポイントほど)

こういった点から見ても上海総合は中国のオールドエコノミー銘柄の動向をよく表してくれる指数といえます。

またアリババやテンセントがニューヨークやハンセンに上場しておりなかなか中国全体の実態を反映した株価指数とはいいがたいのではないかとも言えます。

終わりに

正直なところ今まで中国株は勉強してこなかったのですが、A/B株の違いや上海と深圳の違いなどぼんやりしていたことが解消できました

 

感じることとしてはネットでは中国株の市場の資料がなかなか手に入りづらいと感じました。特にセクターごとの特徴や個別株のことなどは情報を手に入れることが大変でした。

 

このブログが中国株のことがよくわからない証券マンの、役に少しでも立てればと思います。

 

・参考

 https://www.nomura.co.jp/terms/japan/si/A02630.html

https://toyokeizai.net/articles/-/268345

https://money1.jp/archives/5108

https://www.nomura-am.co.jp/market/news/20150901_42D67107.pdf

https://www.smbcnikko.co.jp/products/stock/foreign/china/kiso/index01.html

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=53183?site=nli

https://orekabu.jp/chinese-stocks/

https://www.toyo-sec.co.jp/china/deal/outline/index.html

https://www.toyo-sec.co.jp/china/deal/outline/index.html

https://media.rakuten-sec.net/common/dld/pdf/95d6df57d42a83a2e26a55e18df965a4.pdf

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33782990T00C18A8EA4000/

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/foreign_marketcap_ranking/

https://nikkeiyosoku.com/sha/detail/

https://investment.takamichiyoshikawa.jp/2019/09/23/sse/

https://www.tokaitokyo.co.jp/kantan/products/stock/foreignstock/china_charm.html

https://www.smbcnikko.co.jp/inv/item/pdf/leaflet/8744.pdf

https://myindex.jp/data_i.php?q=SH1004CHY

https://nextfunds.jp/semi/etf_pickup_product_01.html

http://stock.searchina.ne.jp/data/info.cgi?code=SS_180

https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/products/251754/ishares-csi-300-a-share-index-etf

https://www.toushin.com/faq/benchmark-faq/csi300/